お隣との境界や目隠しなど、お庭にはなくてはならないのが「フェンス」です。
現在はベーシックなデザインから個性派のおしゃれなデザイン・機能など製品も多様になり様々な製品が販売されています。
価格も安価なものから高級なタイプまで様々です。
こういったフェンスは設置の仕方により必要になる部品・数が異なるので本体・柱・キャップ・その他部品というようにそれぞれ商品ページが分かれているんです。
気に入ったものを単純に買うのではなく、「なにが必要なのか」、「いくつ必要なのか」を細かく考えないといけない点が普通の商品と違い難しいところになります。
まとめて施工・外構業者へ依頼していれば問題ありませんが、DIYで施工する場合や施主支給の場合はそうはいきません。
当ページでは、そんな方に向けて「フェンスの買い方」を分かりやすく解説いたします!
どのタイプのフェンスがご希望ですか?
フェンスの種類
縦格子タイプ
例:マイエリア2
メッシュタイプ
シンプレオフェンスM1型
目隠しタイプ
シンプレオフェンス13F型
フェンスのデザインには様々なタイプがありますが、今回は「マイエリア2(縦格子)」・「シンプレオフェンスM1型(メッシュタイプ)」・「シンプレオフェンス13F型(ルーバータイプ)」の3種類でご紹介します。
その他には横格子やラティス、目隠しなどがあります。まずデザインから決めて、そのあとメーカー各社比較するのがおすすめです。
高さはどの位でお考えですか?
1段フェンス
Q.どの高さが売れているの?
A.フェンスの高さでは、標準的な高さの800mmタイプが一番選ばれます。
Point
カタログ表記のフェンス本体サイズの高さは、フェンス下の空間部分まで含まれます。
フェンスを選択する際には、高さも考えないといけません。高さは「600mm」・「800mm」・「1000mm」の3種類から選択できることが多いです。
目隠しのタイプだと「1200mm」など高いものが選択できたりします。
それ以上の高さが必要な場合、2段フェンスにするか、スクリーンフェンスなどを検討する必要があります。
注意点としては、高さはフェンス本体の寸法ではなく設置した際の高さの表記になる点です。
幅は1枚当たり2m程度のものが一般的です。(鋳物フェンスだと1m程度のものが多くなります。) 設置長さから必要な枚数を計算します。
2段フェンス
専門の太い柱を使用し、1段フェンスを上下2段に組み合わせることにより最大2322mmの高さまで展開が可能です。(YKKAP対応フェンスの場合)
※上下2段のフェンスタイプを変えて組み合わせることもできます。
Q.目隠しによく使われる高さは?
A.目隠しフェンスは高さ1800mm前後が一般的です。
柱の太さについて
1段フェンスの支柱は幅42mm×36mm(YKKAP シンプレオフェンスの場合)
2段フェンスの支柱は幅66mm×78mm(YKKAP シンプレオフェンスの場合)と2段フェンスは1段フェンスと比べて約3倍近く太くなります。
ひとの背丈程度か、それ以上の高さが必要な場合、2段フェンスまたはスクリーンフェンスを検討する必要があります。(ここでは2段フェンスをご紹介します。)
1段フェンスに比べて太い支柱、大きな基礎が必要になります。
また、必要な部品も異なるので注意が必要です。(柱の間隔も異なるので計算の仕方も変わってきます。)
同じメーカーでも製品により使用する柱が異なる場合があるので、カタログなどをよくご確認の上、ご購入ください。
よくわからなければお気軽に当店へお問い合わせください。
2.8m程度の高さまでにできる3段フェンスというものもメーカー・製品によっては用意されています。
フェンスを取り付けるのに必要な材料は?
フェンスは製品により必要な部品が異なりますが、オーソドックスなタイプとしては、下記一覧の様な部品構成になります。 (マイエリアⅡの場合。製品により名称が異なります)
ストレート継手は本体または柱に付属している場合がほとんどなので、通常、購入する必要はありません。
本体を柱に固定するための部品も付属していることがほとんどですが、別購入になっている場合もありますので、その場合は柱の本数に合わせて部品の購入も必要になります。
コーナー継手はコーナーがある場合に必要になります。
製品によってはキャップタイプと目隠しタイプなど数種類用意されている場合がありますが、その場合はいずれかを選択して使用します。
エンドキャップはほとんどの場合、両端2ヶ所分で1セットが必要になります。
設置場所が分かれて複数のつながりとなる場合、その数だけセットが必要になります。
フェンスの構成部品
※三協アルミ マイエリア2の場合です。
商品名 | 用途の説明 | 入り数 | 商品写真 |
フェンス本体 | フェンス本体部分です。 ※柱は含まれません。 | 1本 | |
自由柱 | フェンスを固定するための柱 (ストレート継手が同封されています) | 1本 | |
ストレート継手 | 直線のフェンスとフェンスをつなぐ継手 (自由柱に同封しています) | 1セット (2個入) | |
エンドキャップ | フェンスの最初と最後に取り付けるキャップ | 1セット (4個入) | |
コーナー継手 | コーナー部のフェンスとフェンスをつなぐ継手 | 1セット (2個入) | |
必要な距離と高さを確認しよう
設置する距離に合わせて必要となる部材を拾い出してください。
Point
1.柱はフェンス1枚に対して1本必要
2.フェンスの終わりには柱が1本必要
3.コーナー部では柱を1本追加
4.コーナー継手はコーナーの数分必要
5.フェンスの始まりと終わりにはエンドキャップが必要
フェンスは本体幅が約2mであることが多いので、設置場所の長さに合わせるためには現場での切断加工が必要となります。
切断をすると「端部カバー」が必要になる場合があるので、製品によりどのようなタイプなのかチェックしてください。
主に下記3つのタイプに分かれます。
1.端部カバーが必要ない
2.切詰める(切断して片側は捨てる)場合、端部カバーが必要になる
3.切断して2枚に分けて使用する場合に端部カバーが必要になる(既存の枠が利用できるので切詰めるだけなら必要ない)
端部カバーってなに?
例 シンプレオフェンス(メッシュ)
端部カバーは、本体を2枚に分けて共に使用する場合に1セット必要です。
カットして片方しか使用しない場合は、必要ありません。(一部商品を除く)
フェンスの種類によって本数や使い方が変わりますのでその都度確認をしてください。
Point
端部カバーは2本で1セット
これがないと切りっぱなしでアルミ線が非常に危険です。
※フェンスの種類によって本数は変わります。
フェンスの設置方法について
フェンスには様々な種類がありますが、ほとんどのフェンスは以下の流れで設置を行います。
1.基礎を作る
2.柱を建てる
3.フェンス本体を取付する
ここでは基礎部分について解説をしていきたいと思います。
フェンスの基礎部分の設置
フェンスは地面に柱を挿して取付という訳にはいきません。
台風などの天災や衝撃に対して、柱が傾いたり倒れたりしないように強度を確保する必要があるためです。
そのためまずは柱を建てるための基礎を作る必要があります。
基礎といっても難しく考える必要はありません。
街を歩くとブロック積の上にフェンスが取付されているのを見るかと思います。
実はこのブロック積が基礎に当たります。
ブロック積と柱とフェンスの穴の様子
一般的なブロックには穴が開いているため、この部分に柱を建て、隙間をモルタルで埋める事で基礎が完成します。
自分でブロックを積むことは大変ですので、ここは外構工事を行う際にプロの職人(左官屋さん)に依頼をすることをお勧めします。
ブロックに穴が開いていない(モルタルが詰まっている)場合には、コア抜きという工事をすることで穴を空けることが出来ます。
穴をあける事で、ブロック積を基礎にするという訳です。
ただしこちらは専用の工具が必要となります。DIYでの対応はほぼ不可能ですので、こちらもプロにお任せする場合の手段と覚えておいてください。
またブロック積以外にも、柱の部分だけ基礎をつくるという方法があります。
こちらはブロック積が出来ない場所や、柱がブロックの穴に入らない2段フェンス・3段フェンス、公園や商業施設に採用されます。
柱の部分だけに基礎をつくるので、ブロック積よりも安価というメリットがありますが、強度を保つために基礎を大きくしないといけないというデメリットもあります。
敷地の境界がはっきりしない。狭くなる。といった理由からおうちの敷地の境界にはあまり使われない傾向にあります。
自分で穴を掘って、モルタルやコンクリートを流して柱を建てるといった方法も取れますが、コンクリートが乾くまでの固定を考えると大変な工事となってしまいます。
そのため柱の部分だけ基礎を作る場合、
独立基礎を使用することをお勧めします。
自分で穴を掘る場合は、固定できる場所と工具が必要
独立基礎とは簡単に言うとコンクリートの塊です。その中心に穴があいています。
これを地面に埋めて、穴に柱を立ててすき間をモルタルやコンクリートで埋めるという訳です。
独立基礎はホームセンターにも販売されていますが、基礎のサイズが小さいので強度に不安があります。
そのため建材屋さんで購入をすることをおすすめしますが、かなりの重量があります。
DIYでの設置を検討されている場合は注意が必要です。
独立基礎の画像
フェンスの柱立て
一般的なアルミメーカーのフェンスの柱には、小さな穴が開いています。
前後に貫通している穴はクギなどのある程度の強度がありつつ細い部材を通すことで、必要な柱の埋込深さを確保しつつ高さを合わせることが出来ます。
またフェンスの種類によっては、上記の穴の少し上にも穴があいています。
これは水抜き穴といって、柱の内部に溜まった水を逃がす働きがあります。
特に冬場は水の逃げ場がないと、凍結→膨張→柱の破損といったことになり兼ねません。
穴をふさがないように注意をしてください。
高さはこのように調整しますが、柱の前後の位置も合わせる必要があります。
また柱は強度上ブロックの中心にあることが望ましいです。
この場合フェンスの柱に糸を渡すことで目印を付けることが多いです。
柱に括り付けるパターン・ブロックにクギを打つパターン・重りで対応するパターンなどがありますが、糸をしっかり張ることが大切です。
フェンスの種類や職人さんの腕にもよりますが、柱と本体を同時に工事する場合もあります。
ただしメーカーの組立説明書では柱を立てて、しっかり固まってからフェンス本体を取付することを推奨しています。
慣れてないうちはメーカーの組立説明書に準ずる取付方法をおすすめします。
柱を立てたあとは、モルタルで穴の隙間を埋めます。
モルタルはセメント+砂+水を混ぜて作ります。職人さんは自分たちで現場で配合して混ぜて作りますが、ホームセンターで販売されているインスタントセメントを使うという手もあります。
モルタルを練る様子
よほどのDIYのベテランさんでない限り、市販品を使った方が簡単でおすすめです。
まとめ
ここまでフェンスの部材の確認方法、基礎の部分から柱の設置についてお伝えしましたが、特にブロック基礎は強度の事もありDIYでの対応は難しいです。
DIYで簡単に設置するを解決するには、少なくとも
基礎はプロの任せる事を当店ではお勧めします。
そしてフェンスの部材の確認から取付はDIYでチャレンジするという訳です。
つまり適材適所で対応することがアルミフェンスをDIYで簡単に設置する方法と言えるでしょう。
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